2018/09/09 (Sun) 雪だるまの後の丼屋


MoMAで冷凍庫におさまった雪だるまを鑑賞するも、猛暑の中庭だったので一瞬で涼が過ぎ去ってしまったのは、まだ訓練が足りないのだろうか。などと軽く反省しつつ、晩ごはんはミッドタウン西に来たらふらりと誘われてしまう丼屋へと。男のだいどころ、女だってお邪魔したい。むしろ最近のNYの居酒屋はアジアの女性客強しである。


ポン酢にひたった細切りオニオンサラダ、これはさっぱりと嬉しく、吹き飛んだ涼がさやさやさやと戻ってくる。ちょっとラー油などたらしてもよろしいかも。


つやつやのシマアジ刺、これまた舌にねっとりひんやりとありがたい。この店は寿司居酒屋ではないから種類は少ないけれど、その日の魚を選べば鮮度に失敗はなしなのが安心じゃ。


さぁそろそろ冷房の効いた居酒屋で、冷酒片手にエンジンがかかってくる。ごぼうの天ぷら明太子ディップ、このディップが体裁ではない辛さで繊維質摂取に拍車がかかる。


またまた揚げ物、安定の唐揚げ、と思ったがあれ、今日はちょっと衣が白っぽいかな。片栗粉の衣は白くなりがちだが、前回はちゃんと黄金色だったな。しかしこちらの下味は好きな味、おいしくいただく。


本日は肉料理を選んでの定食セット、ではなく、最後にどどんと焼き肉丼。こういう美味しい牛バラってなかなかこちらでは見かけないなぁ。丼屋さん、ミッドタウン・ウエストだけでなく、ロウアー・イーストにもぜひ来て、男だけでなく女の台所になってくださいませ。なんてことを書いていたら、ふっと矢野顕子さんの「ラーメンたべたい」が脳内に流れてきた。
  男もつらいけど 女もつらいのよ~♪
だから癒しの居酒屋が必要なのじゃ、人生には。

Donburiya
253 W 55th St, New York, NY 10019

◆前回のMoMAからの丼屋さんの記事は、こちら

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2018/08/29 (Wed) バランス良きつまみで、渡舟


お茶仲間&和菓子作り仲間のHちゃんとお初の店、帝水にて晩ごはん。お酒はこちらの渡舟、純米吟醸濾過前五十五。絶滅品種となっていた酒米「渡船」を現代に甦らせた蔵元が自ら杜氏となって仕込んでいるのが、この渡舟。55%精白で、ていねいに搾られたお酒を濾過する前に瓶につめたものだとか。すっきりとした飲み口の中に、甘やかな香りでHちゃんと即座に「おいしい~」と口をそろえる。


とくると、当然つまみも酒に合うものがほしくなる。いぶりがっこにチーズは定番だけれど、本日はブリーとの組み合わせ。クリームチーズほど濃厚ではなくこれもまた旨しくん。


畑のキャビア、ぷちぷち感が楽しいとんぶりと山芋とわさびを合わせたものは、実家に帰ると必ず作る一品なので懐かしい。とんぶり、日系スーパーに売ってるかのう…売っていたら作りたい。


真鯛きゅうりはおろした胡瓜と柚子ビネグレットの香りが爽やか、夏のお刺身はこんな涼し気な味がよいな。


焼き鳥は私がせせりに皮に手羽を選ぶと「ともそん、大人の選択~」と言われる、そんなH子ちゃんはささみにつくね…マッサージセラピストのわが友はマッサージに関しては時代の先をゆくが、食に関しては保守派なのである。じつは新しい焼き鳥屋を開拓したくてこのお店に来たのだが、肝心の焼き鳥は…うーん、可もなく不可もなく。焼き鳥目当てなら鳥心か鳥人を選ぶかな、という感じであるが、ほかのつまみがバランス良いので、なかなか捨てがたし。


巻物はあればつい頼んでしまうソフトシェルクラブ巻きに、


スパイシー帆立。お、容赦のないスパイシーさが好み。美味しい酒をすすりながらも、お茶に和菓子、人間模様の難しさ、あれこれと波線を描きながら会話は進む進む。そう、人間模様は難しい。バランスが保たれていたと思っていても、それはこちらの思い込みなのかもしれない…もっと細心の気を配らねば切ない隙間ができてしまうのかもしれない。つまみの選び方より難しいのは、さても人間様なのだのう。

Teisui
246 5th Ave New York, NY 10001

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2018/08/24 (Fri) 麺くい亭にてさくっと唐揚げ


お茶の稽古で貴人点薄茶と格闘した後は、柳さんのギャラリーにて朝倉完さんの素晴らしい花と花入れの調和の妙に眺め入り、目の保養、心の養生をしたのであった。綺麗なものが入ってきたあとは、おなかがすくのう。
と、友人と麺くい亭にてさくっと一杯を…。こちらもさくさくな唐揚げ、下味もしっかりきいて好きなタイプじゃ。


胡瓜浅漬け、こういう普通のものが美味しいのは、うれしい。上に乗っている糸唐辛子がほしいのだが、マンハッタンの日系スーパーで見かけたことがない。ミツワに行ったらあるんだろうか。有料道路の通行料でほっそーい糸唐辛子の1本が$1ぐらいになりそうだけど…。


焼き茄子にお酒は田酒。香ばしい茄子の旨みを味わうために、削り節はもう少し控えめでもよかったなぁ。
美味しいお酒にシンプルなつまみで、べつの流派ながらも同じくお茶をやっている友と花やお茶の話が尽きない。和やかなミッドタウンの夜。

Menkui-Tei
58 W 56th St, New York, NY 10019

◆朝倉寛さんの花と花器展の記事は、こちら

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2018/08/23 (Thu) 酒呑みの心をつかむSakamaiつまみ


あれ、そういえば今月は連載エッセイのゲラが来ていないなーと思い当たった今日は、普通ならゲラ返却の締め切り日。おそるおそる編集さんにメールしてみたら(遅いよ)、送ったつもりがまだ送っていなかったとのこと。いいのーいいのよーと言いながら、こういうことはお互いあることだから、気づいたら「押しつけがましいかな」などと考えず早目の確認がいいのかのう、と珍しく前向きなこと考えたのじゃった。
そんなお仕事の姿勢を考えた日の晩ごはんは、ご近所のSakamiさんにぶらぶらと。卵の上に卵の上に卵(卵、雲丹、キャビア)なるものを食べようと虎視眈々とオンラインメニューで予習して挑む。


お酒は八海山吟醸に出羽桜の桜花、隊長は珍しくビールでなくホッピーを。大丈夫かー、キミは高円寺のガード下の飲み屋でガイジンさんに気をよくした店主にホッピーを大盤振る舞いされて大酔っ払い、それ以来用心しておるのじゃなかったかー。しかしNYのホッピーはそう強くなかったようで、軽い軽いとのたまう隊長であった。いや高円寺でもそう言ってたけどね…。


まず頼んだのは牡蠣のオイル漬け。あまりの小ささに動揺するも、濃厚かつ爽やかな林檎のヨーグルトソースをまとう牡蠣の、濃縮された旨味にうっとり。ほんの小さな一口に恐ろしいほど牡蠣の真実が主張しておる…。


あん肝といぶりがっこ、クリームチーズよりさらに最強な組み合わせ。九条ネギにもみじおろしとポン酢で。


B.E.C.ポテサラはベーコン、温泉卵、ホワイトチェダーチーズ入り。これまた濃厚でうまー、しかしちっさい(こればっかり連発する卑しい酒呑み…)。トリュフ塩も入っているのかな?3倍量で真似っこ決定。カロリーも3倍、えへへ。


本鮪の赤身、風味はやや弱いものの滑らかな舌触りに納得。


さてさてお待ちかねのEgg on Egg on Egg、登場。柔らかな炒り卵の上に雲丹とチョウザメのキャビア、幸せの重なった卵を大切に味わう。


今までのつまみが上品な盛りすぎてこのままではわんこつまみ状態で、恒久的に頼み続けそう…と思ったところで、大盛りのカリカリ白菜サラダに満たされた。白菜にじゃこ、舞茸、細切りのかりかりフライドポテトが美味しくてざくざく食べるもヘルシーかというと、それは聞かないでな危険サラダである。


鶏の唐揚げには焦がしレモン、隅々までちょっとした気遣いが嬉しい。


タコ研究家としては頼まねばならぬグリルド・オクトパス塩昆布のせ。ふむふむ、コチュジャンに塩昆布の味付け、参考にしよう。
酒呑みの心をニクいほど知り尽くした肴オンパレードなこのSakamaiさん、近いのにあまり来ていなかったなぁ。近々またリピートしてしまいそうな予感、もちろ卵の上に卵の上に卵…はマストで、うっふん。

Sakamai
157 Ludlow St, New York, NY 10002

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2018/07/31 (Tue) 居酒屋Mewにて若者に混じってみる


本日は、お茶友Yちゃん&Hちゃんと若者の集まるコリアンタウンにある居酒屋にて、一気に年齢層を高くしながらの楽しい再会@居酒屋Mew。Yちゃんは和食が好き!といいつつ、自称「お子ちゃまの舌」だそうで、こってり系や渋くない系メニューがお好みなので、お初のこちらにしてみたのだ。


最近は日本の居酒屋はアジアの女子達に大人気なので、コリアンタウンにも進出しておるんだのう。席を待っている時、あまりにも騒がしい女の子がいたので、「この子たちの隣にはなりませんように」と心で願ったものの、まんまと隣のテーブルに案内されそうに。あわてて、「いやいや、あっちのテーブルでいいですか?」と場所替えをお願いしたのだった。
しかし遠くからでも聞こえる高らかなしゃべり声…。号令かける時、便利だろうなぁ…。とりあえずカンパーイ、と低い声で獺祭のグラスを合わせる私たち。


メニューの最初が「Toriaezu」(とりあえず)なのが、じわりとくる。その「とりあえず」から私がもろきゅうや、


ハマチのカルパッチョを頼むと、「しっぶーーい。さすが、ともそん!」とすかさずウケるYちゃん。いやいや、これは全然渋くないから…私的には渋いというのは、「このわた」とか「へしこ」とか百歩譲っても炙り明太子あたりなんだけど…。ハマチは質的には中の下という感じだが、青りんごの香りのポン酢ソースが爽やか。


Hちゃんのナイスなチョイス、たこ唐揚げがぷりぷりのかりかりで、んまし。えっ、これも渋い…の? 唐揚げは渋くない? そ、そう(唐突にお子様向け居酒屋・渋み講座)。しかし普段ならオムライスやハンバーグを頼みそうなYちゃんは、今日はおなかがあまりすいてないらしい。お子ちゃま舌の活躍が見られず残念じゃ。チーズグラタンコロッケとかいってくれないかなぁ、そういうのも嫌いではないのじゃ(自分じゃ頼まないけど)。


まぐろのたたき、ひねりのあるメニューはなくて外国人の居酒屋初心者にも安心のお味。日本人居酒屋ラバー的には、やや物足りないけれど恐ろしくがっかり、でもない。CとかGとかの簡単メジャーコードしか使っておらぬような、この微妙な平凡&安定感…たまにはいい。


豆腐アボカドサラダに生姜ドレッシング。どんな野菜も包み込むこのドレッシング、海外が生んだ偉大な日本の味だと思う。


イカの味噌炒め、イカにまとう甘辛なコクが美味しくて、ごはんがほしくなる…も、渋い大人だからそんなことはしない。
お茶の世界や人間模様をこれだけ面白く芸人のように語れるYちゃんの技にHちゃんと共に突っ込みつつ、舌を巻く。というか、お茶ってそういうもんだっけ?茶室って演芸場だっけ?という疑問が心で渦を巻きながらも大爆笑。
ふと見ると、まわりはすべて日本人以外のアジア人女子たちであった。普通に気軽に入れてリーズナブルなお店だけれど、ややウルさいのが難かのう。といいつつ、私たちも最後は対抗できるぐらいになっていたような。ここが日本人経営の店なのか、そうでないのかは、最後まで謎であった。
帰りにほろ酔い加減で、広くなったHマートにて皆ではしゃぎながら買い物して地下鉄へ。

Izakaya MEW
53 W 35th St New York, NY 10001

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