2017/09/13 (Wed) パークスロープにて邂逅イタリアン


本日は今時プリントアウトした地図をしかと握りしめ(スマホ非保持者のさみしき日常)、川を渡ってブルックリンはパークスロープへと。めったに来ないエリアだから、しっかり観光客してみるマンハッタンの田舎もん。


建物がいちいち可愛いなぁ、情緒あるなぁ。ブラウンストーンに外階段の姿に惹かれ、思わずスケッチしたくなる。そう、「ニューヨーク街角スケッチ」を描いた頃は、デジカメなんてなかったし、いちいち現像するのも面倒なので、けっこう道端でスケッチしていたのじゃった。私ときたらすっかり文明におかされしまって。スマホもってないけど。


目的地にぶじ到着。本日は友人のジャズ・ピアニストSくん(少し前に対談した例のお方♪)、そして数10年ぶりに再会した元レコード会社勤務のTさん、そのお友達のTV局関連のお仕事をされているOさんとでイタリアンご飯。なんだか今週は数10年ぶりの再会が続くなぁ、時がめくるめく勢いで渦をまいておるような。


AUTUMN MARKET SALADは、薄くスライスされた生のズッキーニにイエロースクワッシュ、そしてカステルマーニョ・チーズの取り合わせ。生でズッキーニを食べたことはなかったけれど、香り高いオリーブオイルをまとったしゃっきり粋な歯ごたえに恋におちた。これはぜひ真似してみよう。スライサーでしゃーしゃーっとな。


本日のリゾットは、鶉。野性味あふれる鶉の滋味は、柔らかな米の合間にまで優雅にまぎれこみ、みなしてスプーンがつい伸びる。


SEPPIA AND OXTAIL、煮込まれたイカ墨とオックステール、にんにくとチリ風味の濃厚なトッピングをクリーミーなポレンタとともに味わえば、脳天までしびれた、口元までとろけた。


TRIPPA ALLA TOSCANA 、白ワインとトマトとソフリートで煮込まれたトリッパは、臭みもまるでなくとろとろな至福。こんな美味しいトリッパは、Babboで食べた以来じゃろうか。
それにしてもこの顔ぶれ、その昔私が音楽ライターだった時代にタイムトリップしたようで、楽しい、嬉しい。気づけばワインが何本も開いてしもうた。


デザートをつつきながらも、まだワイン。パンナコッタに自家製の濃厚のチョコレートアイスクリームなどどれもおいしい。畑は違えど、みなが音楽を愛し、楽しく仕事をしていた懐かしき時代の思い出をわけあいながら、笑って飲んで。しんみり食べて。うれしい再会(と、はじめまして)の夜を、ありがとう@ブルックリン。

Al di la Trattoria
248 5th Ave, Brooklyn, NY 11215

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2017/09/05 (Tue) シティ・ワイナリーにてアーロンさん待ち


店の前で酒樽お出迎え。そう、本日は最近気に入っているヴェニュー、ワインも楽しめるCity Wineryにて、


アーロン・ネヴィル・デュオのコンサートを楽しみにきたのじゃ。


まずは開演を待つあいだの腹ごなしといってみよう。アローンさんの歌はパンチがあるから、空腹で聞きでもしたら、ノックアウトされてしまうかもしれんからのう。
通常より種類の少ないコンサート・ダイニング・メニューだけれど、それでも普通のライブハウスよりは気の利いたメニューがあるのがありがたい。まずはワイン片手につやっ艶のオリーブなどを。


山盛りのタスカン・ケールのシーザーサラダ。おお、近頃のNYでは飽きるほど遭遇するケール・シーザーだが、これは美味しい。細めに切ったタスカン・ケールは歯ごたえを残しつつもドレッシングでしっとり、そこに削り方にもこだわりのあるたっぷりのパルメジャン、自家製クルトンや軽やかにかりかり、アンチョビはぺろりんとそのまま上に横たわっているのが色っぺぇ。これは、真似っこ子猿決定。


Pistachio Crusted Duck Breast、ピスタチオをまぶしてこんがり焼きあげられた鴨は、甘く深いチェリー・ポートソースで。クリーミーなセロリの根のマッシュにじっくりブレイズされたエンダイブ、葡萄のロースト。ミディアム・レアをお願いしたのがミディアムに近かったのは惜しいけれど、コンサート・メニューでこんな味はなかなかいただけないので、細かいことは言いっこなしよ。


Roasted Organic Cornish Hen、オーガニックのコーニッシュ・ヘンのロースト、味のしまった鶏を彩るとっくりと濃いザクロのモラセズ。シャンタレラ茸とそら豆のピュレに混じるフィンガリング・ポテトのねっとりした芋の味もまたアクセント。普段はドライ・ラブでシンプルにローストした鶏が好きだけれど、こんな風に濃厚なソースでいただくのもまたいいのう。
ということで、いつものごとく相席の方々と「どこのヴェニューが好きぃ?」「ビーコンシアターもいいね」「どこそこはクローズしたのが悲しいよね」などと地元ならではの音楽話が弾みつつ、アローンさんの歌声を待つこのひと時がまた愉悦…。

City Winery
155 Varick St, New York, NY 10013

◆昨年、ここでドクター・ジョンを観た時の記事は、こちら

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2017/08/28 (Mon) ギリシャ料理店にて従兄と再会


NYに観光にやってきた従兄夫婦と数十年ぶりの再会、ミッドタウンにてギリシャ料理をご一緒することに。小学生の頃以来だから何年ぶりだろう…人見知りな我はちょいと緊張…。


けれど気さくな奥様と共に、昔の話などしているとあっという間に場は和む。そうそう、小さかった私はゆーちゃんゆーちゃんと年上の従兄に懐いていたっけな。気づけば数10年ぶりに会っても「ゆーちゃん」「ともちゃん」と呼び合いながら、あれやこれやと時を紐解いていくのが楽しいのだった。
そんな会話の始まりには、ピタパンにギリシャのスプレッドなどたっぷり塗ってわいわいと頬張るのがふさわしい。選べるスプレッド3種、まずはこのTaramosalata、タラコにアーモンドとポテトが入った滑らかなムース風。


NYではハマス店などもたくさんできて大人気のHummusは、ひよこ豆にタヒーニ、にんにくにオリーブオイル。それに、ローストした茄子にトマト、ヨーグルト、にんにくのスプレッド、Melitzanosalataなども。いけない、いけない、どれも素材の味が立ち上がる滑らかな一口が美味しくて、ピタとこれだけでおなかが一杯になってしまいそうじゃ。


ズッキーニの花に詰め物をしたStuffed Zucchini Blossom。さっくり揚げられた花の中に贅沢に詰められた蟹肉。そして5年熟成のアシルティコ酢にエキストラバージン・オリーブオイルをたらり。美しき花が噛み締めれば甘やかな美味なる花に生まれ変われば、ワインを持つ手がとまらない。
そして、結婚前の若き日の父がゆーちゃん宅に居候していた時の話などに楽しく耳を傾ける。「おじさんは変わってないよー」「まじめで堅物、でも変わり者?」「そうそう」…やっぱり若い時からそうだったんだ(笑)。


あれば頼んでしまうタコのグリル、Grilled Octopus。下に白く慎ましやかに敷かれたのはギガンテス、そら豆をマリネしたものだが、ギリシャ神話の巨人族Gigantesの名がつけられているとは面白い。クレタ島のオリーブオイルが優しい滋味を連れてくる。


そしてお二人はギリシャ料理は初めてとのことで、やはりここはムサカMoussakaをお勧めじゃ。ラムと牛ひき肉、ポテトと茄子とペッパー、ヨーグルト・ベシャメルのたくましい層がおりなす味の歓び、そして再会の喜びかみしめる。
秋の帰国時には、両親を連れていまもゆーちゃん夫婦と一緒に暮らしておられる叔母さんに会いに行こうと思う。幼い頃叔母さんにカラメル焼きを買ってもらった鍋屋横丁も歩きたい。
それまでどうかお元気で。

Molyvos
871 7th Ave, New York, NY 10019

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2017/07/17 (Mon) 美術館の後は、ギリシャ料理


日本から出張途中にNYに立ち寄った映像作家の友人とメトロポリタン美術館と待ち合わせ、じっくりアーヴィング・ペン展を鑑賞し、あまりにのめりこみすぎたせいでその後の川久保玲展が駆け足になってしもうた…というような話を書こうと思ったのだが。そうだ、小説すばるの連載エッセイにまず書いてみようかと思い、それまでは出さない方がいいかのう、とセコいネタキープのようなことを考える。
まぁ実際だ~れもそんなこと気にしちゃおらぬだろうが、まずは美術館後の晩ごはんのことなどを。その友人Sくんを誘ってミッドタウン・ウェストのギリシャ料理店へ。あれ、ここはウーゾを飲ませるOuzariaとレストランが隣接していたのだが、いつの間にか1店に併合されておる…。どこもかしこも地価高騰で大変そうだなぁ。


ギリシャ料理は馴染みがないという彼のために、まずはこれさえおさえておけばワインが進むよ4種のディップを。
ヨーグルトににんにくと胡瓜の風味を効かせたザジキ、にんにくたっぷりポテトのペーストが美味しいスコーダリア、茄子をペーストにしたメリジャノサラタ、おなじみクリーミーな魚卵のディップ、タラモサラタ。
Sくんとは大学のバンド・サークル時代からの気のおけない仲なのであれこれ話も弾みつつ、ディップをのせたピタをつまみにワインを飲めば、ああ幸せ。今日はアートだけれど、皆で出かけたコンサートや学祭ライブの後に何度こうしてお酒を酌み交わしたことかのう。はっきり言って数えられないほどだ(お酒とイベントが対になっておる証拠)。


Hortaなる野菜をメニューに見つけ、「これはどんな感じの野菜ですか?」と訊いたところ、「ギリシャの…野菜」ととーっても大雑把な答えしか返ってこないので、逆に興味をそそられ頼んでみる。クセがなくクタっとして、なんとも形容のしがたい野菜であった。とりあえずレモンと塩かけて、暑い日にはビタミン摂取。


Maridaki Pireotiko、さっくり揚がった公魚のフライ。レモンをたっぷり絞って口に入れれば小さな一片に集結された魚の旨みがあふれ出す。小さな魚を丸ごといただく喜び、ひしひしと噛みしめ味わった。が、大量にあって減らないので、のこりはお持ち帰りに。


Glycadakiaは、ここに来たら必ず頼む仔牛の胸腺スイートブレッド。レバーよりも穏やかで、肉とも違う独特の食感、本当にスイートで美味しいのう。
今日は展示を観ながら写真のこと色々教えてくれてありがとう。おかげですごく深く楽しめましたん。また秋の下北沢でねー、と手を振って友人と別れた後は、いそいそと公魚ぶら下げ、地下鉄へ。

Uncle Nick's
747 9th Ave, New York, NY 10019

◆Ouzaria時代に来ただいぶ前の記事は、こちら
ひとりで鰯4匹も食べておる…。

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2017/07/05 (Wed) 今年は来れたよニシンまつり


グランドセントラル駅の長く美しいトンネル、ダイニング・コンコースをいそいそと抜けて、


オイスター・バーへと。この時期のオイスター・バーといえばもちろん年に一度のお楽しみ、ヘリング・フェスティバルじゃ。6月の2週間だけ新鮮なオランダ初物ニシンNieuwe Maatjes Herring Filetが供されるのである。「鰊来たら教えるよー」のメーリング・リストにもぬかりなく登録しておるのだが、なんと去年はその連絡も来ず、オイスター・バーのHPも更新されなかったため、うっかり逃してしまった。悔恨の念でよよとむせび泣いたのは言うまでもない…。
そんな貴重な初ニシン、オランダ人は写真みたいにぺろーんとかぶりつくらしいけれど、とてもそんな大胆な真似はできませぬ。


例によって、特設ニシンコーナーを作って盛り上げんとするオイスターバーの心意気とは裏腹に、周りであまり頼んでいる人はいない。普通は何はともあれ、生牡蠣が運ばれてくるのにウェイターが「牡蠣は大人気で開けるのが間に合わないので、先に他の物をお出ししていいでしょうか」とさっとニシンを出してきた。人気…ないのかニシン!? ねぎらうように、2尾頼んだ上に持ち帰りの2尾も頼んだ。
さて、このニシン、脂のノリといい、滑らかにねっとりと舌にからみつく鰊の風合いといい、本当に旨し。はるばるニューヨークまで来てくれて本当にありがとう、オランダの海を悠々と泳いでいた若きニシンよ。
さらし玉ねぎにゆで卵、チャイブを丁寧にまとわせ、最後に持参した黒七味をぱらり。白ワインを一口。そしてまたニシン。延々とこの快楽の海を泳いでいられる。


お伴には、かりっと揚がったフレンチフライに、


苦みの中に甘さがしみてくるケールの若芽のロリポップという名の炒め。なにごとも若い味は清々しい。


むろん貝だってはずせない。軍手をして懸命に牡蠣を開け続けておる人がこのレストランのどこかにいるんだのう。ありがとうと感謝しつつ、本日選んだのはコネチカット州コップス・アイランドのブルーポイント、マサチューセツツのアイランド・クリークとウェルフリート、ロングアイランドのシネコック。


ロングアイランド・サウンドのチェリーストーンのぷりりとした実を噛めば、喉元を瑞々しい潮がくだっていく。
お土産のニシン二尾を大切に胸に抱き、地下鉄にゆられ帰ったのであった。ふっふっ、誰も私がニシンを抱きしめておるとは思わぬだろう。これぞNYニシン愛。

Grand Central Oyster Bar & Restaurant
Grand Central Terminal, 89E. 42nd St, New York, NY10017

◆2015年の去年のオイスターバーのニシンまつりの記事は、こちら

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