2018/01/21 (Sun) グンターさんの聖なる味覚


遡ってのクリスマス・イブ2017@Gunter Seeger。グリニッチヴィレッジの街並みを「やっぱりこの辺りは好きだなぁ」とふらふら機嫌よく歩いていたら段々とじんじんとがんがんと身体が冷えてきて、「す、すみません、もういいですか?」と予約より早めにお店に駆け込んだのじゃった。
ワインを飲みながらのごはんはそうは食べられないのでいつもは4コースを頼むのだが、本日は7コースの限定のみだという。「食べられるかな」と憂慮しながら(うわべだけ~)、


まずはスターターのベルーガのスタージョン・ムース・タルト。スモークされたトラウトの卵のせ。チョウザメの旨みしみこむふわふわのムースのくちどけと共に味わうきらめく鱒の卵。さっくりしたタルト生地。食感は軽いのに、その奥に広がる味が遥かに深い。深海を漂わせてくれるタルト、のっけから極楽。


コンフィされたミュラー鴨のフォアグラは、マルメロのジュレをのせて、しっとりしたジンジャーブレッドと共に。このフォアグラが濃厚で美味しいのなんのって。今のところ一等賞は悲しいことに今はハリケーンでなくなってしまった、セント・マーティンのティ・ブションだったが、これも対を張る素晴らしさ。途中でジュレもなしで、そのものだけの純粋な風味をうっとり味わった。


ブラック・ウィンター・トリュフは、コーラルフラワー、ロマネスコ、そしてカリフラワーのムースと共に。香りたつトリュフを引き立てるまろやかな野菜の風味。白ワインに黒トリュフ、気高きペアは止まらない。止めたくない。


ノバスコシアのロブスターのぷりっぷりな歯ごたえを楽しみつつ、柔らかにグレーズされたサルスィフィなる西洋ごぼうを食む幸せ。


メインはムスコビー・ダックのロースト。酸味が相性のいいソースは、やんちゃなハックルベリーときましたか。鴨とベリー、鮮やかなダークローズがお皿を染めて美しい。バターナッツ・スクワッシュ、栗、芽キャベツとつけあわせも大好きトリオ。できればあと10個、好物の芽キャベツ所望じゃ。


この色合いが好きすぎて目を凝らしてしまったのは、ブラッドオレンジのソルベ。ブラッドオレンジらしからぬ甘やかに光るピンクにオレンジの花のつぼみの白、プチ・ラディッシュの赤。味だけでなく、グンター・シーガーさんのアーティスティックなセンスにノックアウトされるのう。


どこかユーモラスなビュッシュ・ド・ノエル…なぜか詩仙堂の庭の可愛いお地蔵さんたちを思い出した。わがままを言って持ち帰りをお願いしたら、


こんな美しい箱に、チョコレートと共に包んでくださった。聖なる夜に、こちらを聖なる気持ちにさせてくれる味覚に、感謝の雪が降る。

Gunter Seeger
641 Hudson St, New York, NY 10014

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2017/10/28 (Sat) ターミナル1にてソーセージ@JFK空港


本日から恒例、秋の日本旅。皆さん、「もうその季節か」とノナカ到来と共に時の過行く速さを実感してくだっているようだ。こんな薄い印象の私でも何か人に残せるものはあるのだのう、と実感することである(何を残しておるのかというと、たぶん飲み会の思い出ぐらいだったりするのだが)。


そして、毎度そのチョイスの少なさに落胆してなんちゃって巻き寿司など食べてしまうターミナル1のダイニングコーナーに、新しくできたソーセージの店を発見。
といって、いきなり朝っぱらからブラートヴルストを食べてしまう自分はどうなのか。しかもマスタード多めで、と頼んだら、お姉さんが「私も好きなのよ」と止める間もなく怒涛の勢いでかけてくれた。奥に見えるのはプリッツェル。
機内で胃がもたれる予感をひしひしと抱きながら、いざ激混みのセキュリティー・ゲートへと。

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2017/10/20 (Fri) シティ・ワイナリーにてラム・ローインを食む


先月もアーロン・ネヴィルのライブを観に来たシティ・ワイナリーに再び。本日は、マデリン・ペルーさんのコンサート、楽しみだなぁとまだ主役のいない空っぽのステージをわくわく眺めながらの、


晩ごはんは、ラム・ローインにトリュフ風味のポテトと芽キャベツ添えを。
ローインはラムの強い香りは控えめで、柔らかで気品漂う旨さ。そしていつもなら、テーブルに相席した方々と自然に音楽話に花が咲くのだが…。な、なんだか本日は勝手が違う。私たち以外、どこからどう見ても皆さんトロフィー・ワイフを連れた男性の方々なのである。面白いながらも、どこか緊張感漂うテーブル模様であった。
書こう…これ、来月の小説すばるのエッセイに書こう…とネタをもらった気分で(いや、書くのは客席でなくステージのことだという気もするが)、トロフィー・ワイフにゃ来世でさえなれそうもない東洋人、テーブルの端でひとりラムを食む…。

City Winery
155 Varick St, New York, NY 10013

◆前回アーロン・ネヴィルを観た時の記事は、こちら

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2017/09/13 (Wed) パークスロープにて邂逅イタリアン


本日は今時プリントアウトした地図をしかと握りしめ(スマホ非保持者のさみしき日常)、川を渡ってブルックリンはパークスロープへと。めったに来ないエリアだから、しっかり観光客してみるマンハッタンの田舎もん。


建物がいちいち可愛いなぁ、情緒あるなぁ。ブラウンストーンに外階段の姿に惹かれ、思わずスケッチしたくなる。そう、「ニューヨーク街角スケッチ」を描いた頃は、デジカメなんてなかったし、いちいち現像するのも面倒なので、けっこう道端でスケッチしていたのじゃった。私ときたらすっかり文明におかされしまって。スマホもってないけど。


目的地にぶじ到着。本日は友人のジャズ・ピアニストSくん(少し前に対談した例のお方♪)、そして数10年ぶりに再会した元レコード会社勤務のTさん、そのお友達のTV局関連のお仕事をされているOさんとでイタリアンご飯。なんだか今週は数10年ぶりの再会が続くなぁ、時がめくるめく勢いで渦をまいておるような。


AUTUMN MARKET SALADは、薄くスライスされた生のズッキーニにイエロースクワッシュ、そしてカステルマーニョ・チーズの取り合わせ。生でズッキーニを食べたことはなかったけれど、香り高いオリーブオイルをまとったしゃっきり粋な歯ごたえに恋におちた。これはぜひ真似してみよう。スライサーでしゃーしゃーっとな。


本日のリゾットは、鶉。野性味あふれる鶉の滋味は、柔らかな米の合間にまで優雅にまぎれこみ、みなしてスプーンがつい伸びる。


SEPPIA AND OXTAIL、煮込まれたイカ墨とオックステール、にんにくとチリ風味の濃厚なトッピングをクリーミーなポレンタとともに味わえば、脳天までしびれた、口元までとろけた。


TRIPPA ALLA TOSCANA 、白ワインとトマトとソフリートで煮込まれたトリッパは、臭みもまるでなくとろとろな至福。こんな美味しいトリッパは、Babboで食べた以来じゃろうか。
それにしてもこの顔ぶれ、その昔私が音楽ライターだった時代にタイムトリップしたようで、楽しい、嬉しい。気づけばワインが何本も開いてしもうた。


デザートをつつきながらも、まだワイン。パンナコッタに自家製の濃厚のチョコレートアイスクリームなどどれもおいしい。畑は違えど、みなが音楽を愛し、楽しく仕事をしていた懐かしき時代の思い出をわけあいながら、笑って飲んで。しんみり食べて。うれしい再会(と、はじめまして)の夜を、ありがとう@ブルックリン。

Al di la Trattoria
248 5th Ave, Brooklyn, NY 11215

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2017/09/05 (Tue) シティ・ワイナリーにてアーロンさん待ち


店の前で酒樽お出迎え。そう、本日は最近気に入っているヴェニュー、ワインも楽しめるCity Wineryにて、


アーロン・ネヴィル・デュオのコンサートを楽しみにきたのじゃ。


まずは開演を待つあいだの腹ごなしといってみよう。アローンさんの歌はパンチがあるから、空腹で聞きでもしたら、ノックアウトされてしまうかもしれんからのう。
通常より種類の少ないコンサート・ダイニング・メニューだけれど、それでも普通のライブハウスよりは気の利いたメニューがあるのがありがたい。まずはワイン片手につやっ艶のオリーブなどを。


山盛りのタスカン・ケールのシーザーサラダ。おお、近頃のNYでは飽きるほど遭遇するケール・シーザーだが、これは美味しい。細めに切ったタスカン・ケールは歯ごたえを残しつつもドレッシングでしっとり、そこに削り方にもこだわりのあるたっぷりのパルメジャン、自家製クルトンや軽やかにかりかり、アンチョビはぺろりんとそのまま上に横たわっているのが色っぺぇ。これは、真似っこ子猿決定。


Pistachio Crusted Duck Breast、ピスタチオをまぶしてこんがり焼きあげられた鴨は、甘く深いチェリー・ポートソースで。クリーミーなセロリの根のマッシュにじっくりブレイズされたエンダイブ、葡萄のロースト。ミディアム・レアをお願いしたのがミディアムに近かったのは惜しいけれど、コンサート・メニューでこんな味はなかなかいただけないので、細かいことは言いっこなしよ。


Roasted Organic Cornish Hen、オーガニックのコーニッシュ・ヘンのロースト、味のしまった鶏を彩るとっくりと濃いザクロのモラセズ。シャンタレラ茸とそら豆のピュレに混じるフィンガリング・ポテトのねっとりした芋の味もまたアクセント。普段はドライ・ラブでシンプルにローストした鶏が好きだけれど、こんな風に濃厚なソースでいただくのもまたいいのう。
ということで、いつものごとく相席の方々と「どこのヴェニューが好きぃ?」「ビーコンシアターもいいね」「どこそこはクローズしたのが悲しいよね」などと地元ならではの音楽話が弾みつつ、アローンさんの歌声を待つこのひと時がまた愉悦…。

City Winery
155 Varick St, New York, NY 10013

◆昨年、ここでドクター・ジョンを観た時の記事は、こちら

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