さてとうとう京都最後の晩ごはんがやってきてしもうた。そうとなったら、とうずうずする。やはりあそこへ行きたい。予約を取らないので最後の晩に入れなかったらどうしよう、と心配にもなるが、やはりここは運にかけよう。
ということで、宿から歩いてすぐのディープな昭和香るリド飲食街へ。
目指すは、酒肴屋じじばば。こんな名だけれど、店主も客層もそんなじじでもばばでもない。むしろ若々しい。あえて言うなら、むしろこのわしがきっと最高齢…(う、自分でいうな)。早い時間に行ったので、10席ほどのカウンター席の片隅をぶじ確保できて、ひと安心。
このお店は神亀酒造のお酒中心。まずは神亀ひやおろしを。カウンター端にはどんとイベリコ生ハムが切っておくれといわんばかりに鎮座しておる。
この数年の間にどんどん人気が出てきて、じじばば勢力は広まるばかりのようだ。このリド飲食店の中のワインバー、じじばばDOSとともに、近所の七条通りには中華の肴が中心のじじばば第三酒場もオープンしているというではないか。しかし私は元祖のここがいい。洋風の気のきいた肴にあえてワインでなく、日本酒をくいとやりたいからである。
突き出しの蛍イカの沖漬けと、ブルーチーズ入りのポテトペーストとバゲットに、5年ぶりの再会。変わらないのもうれしいのう。
熱々のオイルをまとってぷっくら膨らんだ牡蠣のアヒージョ。濃厚な牡蠣を噛み締めたあとは、バゲットを牡蠣のうまみが放たれたオイルに浸して口へ。幸せな交互運動。
水菜とベーコンのシーザーサラダ。このお店はいつもチーズの選び方と使い方がすごい。ちょっとかけすぎかな、などと躊躇せず、がんがんぱらぱら攻めてくる。こちらも負けずに二杯目はひこ孫純米吟醸を。
厚切りのベーコンステーキ黒胡椒焼き。いままで和食が多かったので、胃はこういう肉肉しいものを欲していたようじゃ。しとやかな和牛もいいが、このベーコンの風味の精悍なこと。しかしくどくない。噛めば甘味と芳香たたえる豚の風味に、やわらかく歯がはずんでいく。
グラスの冷酒を見つめながら、あと少しだけ、と最後の時間を引き延ばしたくて、チーズを頼んだら。こんなごろっと武骨なパルミジャーノ・レッジャーノの塊が出てきた。ほどよい塩味を齧り、神亀をすする。
京都最終の晩、なんと罪深くも旨き晩酌であったか。つぎはいつ来られるかなあ。じじばばになるまえに、また来たい。いやなってるか。
◆じじばば
京都府京都市下京区七条通烏丸西入ル東境町180 リド飲食街内
◆5年まえの記事は、こちら。
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お昼ごはんは、もう何度も行っておるのに絶対迷う、魔の迷宮、京都駅地下街ポルタにて、大好きなカプリチョーザ(相変わらず「京都まで来て、なぜ…」な選択の昼ごはん)…と思ったら、ないっ、消えておる、私の愛するカプリチョーザが。それならば、うどんや蕎麦…とならずに、かわりに五右衛門へ。隊長にひとしきり、この店は箸で食べる洋麺屋であって…若かりし頃はよくいったもので…などと説明するが、あまり共感は得られなかったことを付け加えておこう。
私はズワイガニと海老と本からすみのアーリオオーリオ。メニューの「リピート率No1!」の文字にひかれて。蟹とからすみの量をぜひともリピート・プリーズ、と思ったが、それでも旨し。
隊長、海老とアボカドのジェノベーゼ。ふむ、この組み合わせは人気なのかな、ほかのパスタ店でも見かけたけれど。今度試してみよう、パスタ抜きでもいけそうな。
そんなこんなで、「京都まで来て…」な昼ごはんは、続くのであった。そして「こっちが宿に絶対近いよね」とあがった幾つもある地上への出口は、やっぱり遠回りなハズレ出口であった。ポルタよ、なぜ私に、そうも理解されるのを拒むのか(ヘタな翻訳文体調)。
◆洋麺屋五右衛門 京都ポルタ店
京都府京都市下京区 烏丸塩小路下東塩小路902−516
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相国寺を興味深く拝観し、「いいものを見せてもらったね」と和やかに寺を出たところで、石の鳥居にしたたか頭をぶつけ、雄たけびを放った隊長。痛い、それは痛かろう…。長身の外国人のために、鳥居横に「頭上にご注意」と鳴き龍が注意を促す看板でもつけてはいかがであろうか。
額を抑え、よろよろ歩く隊長を連れての昼ごはんは、相国寺近くにあるお店発見、そう、京都まで来てモスバーガー。だってだって、年に一度は食べねばならぬ、モス・スパイシー・チーズバーガー。モスがどんな新作を仕掛けてこようとも、私の意志はゆるぎはしないのである…。
横の外国人が同じものを頼んで、ものすごい散らかしようになっていて、気の毒なほどだった。ああ、そばに行って指導してあげたかった。
あとは「京都まで来て、餃子の王将」も近々遂行せねば。ちなみに隊長は相変わらず、どんな寺よりも、国宝よりも、ヨドバシカメラで見せる瞳の輝きが半端でない。京都まできて、な我々である。
◆以前のモス・バーガーの食し方の記事は、こちら。
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いったいどんなに長い箱根の旅だったんだ、長逗留の優雅なご身分ですかという冗長な箱根旅路ブログであったが、実際は2泊である…。父が目前で倒れたり、せっかく展望席を買っておったのにロマンスカーが運行見送りになったりと、まぁすったんもんだの旅も終え、ようやく我が駅にたどり着く。
母と「旅には行きたいけど、帰ってくると本当にほっとするよね」とうなずきあいながら、コージーコーナーにて渡り蟹の贅沢パスタで、昼ごはん(贅沢、は私でなく、コージーさんの言い分である)。
懐かしいのう、コージーコーナーのパスタ。電通社員もびっくりするぐらい長時間労働を当たり前のようにしていた(残業代なし)音楽出版社時代、職場の一階にあるコージーコーナーでよく同じ編集部仲間と夕飯を食べたっけ。
コージーのパスタとシュークリームを食べると、あの頃の忙しいのになんだか楽しくて笑ったり、辛くて怒ったりばかりしていた四谷の日々を思い出す。あと、駅前の坂で雪の日に何度も転び、冬場は常に尻が痛かったこともいい思い出…にはまだ全然なっておらぬ。
ちなみにそのビルには幽霊が出るという伝説があった。職場は七階にあったのだが、なぜだか窓の外を人が歩いているのを見たという同僚もいる。あー見なくてよかった。
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ランチは、美術館併設のレストランにて。ちなみにLYS(リス)とは、フランス語でユリの花のことだそう。ユリはこの時期咲いておらぬが(そういえば秋に咲くユリの話を書いたばかりだったな)、雨に濡れそぼる庭の緑が美しい。美しいが濡れるのは困るので、ショップにてお土産などほとんど買わず傘を3本買った(あくまで実用的な親子)。
あ、そうだ、父の晩酌用に綺麗なガラスのマグも買ったのじゃった。「もうお酒はいいや」としょげておる父を、励ます意味で。内緒にしておいて、気持ちが持ち直ったときにこのマグに注いで出す予定。
両親は本日のランチプレートでローストポークのセット。オードブルの貝のパテが美味しくてパンが10個はいけそうな勢い、ポークもしっとり柔らか。と、しっかり味見しておるのがバレバレ…。
朝食をたっぷり食べておなかがすいていなかったので、私はサラダと前菜から秋茄子のプレッセ、フルーツトマトと生ハム添えを。レストラン特製のラベンダーオイルがいい香り。土砂降りの雨で寒かった一日、帰ってゆっくり温泉に浸かろう。
◆LYS 箱根ラリック美術館
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186-1
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