2016/01/02 (Sat) つる幸さんにて金沢最後の夜を


楽しかった金沢1週間の旅も明日にておしまい。名残惜しさをかみ締めながら、金沢最後の晩餐はつる幸さんにて懐石を。金沢の食レベルがあまりに高いのでもう毎日、居酒屋でオケー!とも思ったのだけど、最終日に少しだけ敷居の高いこちらにお邪魔してみたのだった。


お出迎えを受け通されたゆったりとした和室を独り占め。いままでざわめいたお店が多かったので、落ち着かぬ庶民な私たち。料理が運ばれてくる間にきょときょとうろうろして、掛け軸、香炉などとくと愛でさせていただく。ああこれが…の掛け軸ねぇ、ああこれが…の花器ね、ふんふん。知識がないんで…が埋められん(ならば書くなと)。


九谷焼の器でいただく白湯で口を湿らせた後は、


繊細なガラスの酒器にて、手取川のあらばしりを。このお酒、金沢にいる間に本当によくいただいた。このまま四合、といわず一升、二升ほどNYに連れて帰りたい…(税関が許さんわい)。
先付けは鱈の子付け。丁寧に裏ごしされた鱈白子ポン酢とともに味わったら、ゆっくりと酒を口にふくむ。その口が締まりなくゆるむ。


目からも、舌からも、秋が滑り込んでくる美しい八寸。
山形から運ばれた香箱蟹の茶碗蒸しに蟹みそシャーベットのせ。シャインマスカットの白和え。五郎金時芋の海鼠腸あえ。フォアグラのゼリー寄せ。いくらと鮑に、のど黒寿司。ビーツと栗の白雲揚げを抱いた栗のイガは素麺を揚げたもの。ぽりぽりと香ばしいけれど、「全部召し上がるとおなかが一杯になってしまいますので」というお言葉にはたと手をとめる。ふぅあぶない。


吸物は、能登産のもみじ鯛に松茸。秋はもみじ鯛、春はさくら鯛とお椀のなかにも季節は泳ぐのであった。


平目の薄づくり、鰤、ガス海老、まぐろなどのお造りに続いて(料理を堪能するあまり写真撮り忘れ)、焼き物は鰤の塩焼き。トリュフ入りさつま揚げにもろみ詰めのオリーブ、山菜みぞれおろし。松茸はあまり馴染みのない隊長も、大好きなトリュフの風味に金沢でめぐり会い、喜ぶ。伝統を踏まえながらも自由な発想をちりばめらたしずかなる調和に、あっぱれじゃ。


強肴は能登牛の柿釜、やわらかくふくよかな牛に移った柿の甘みがいいのう。


酢物は、蓮根餅とごりの土佐酢。
時おり顔を出してくださる女将さんのおっとり愉快な話も面白く気さくで、今もご主人と一緒に市場に出かけて魚を見繕うのだそう。えっ、お店の魚を?と思ったらご自分のだそうな。給仕の方が「女将さんのところはとても仲良く私たちの理想のご夫婦なんです」と。いいのう。
いまはめったに見かけないというごり(私は初めてだが)、「浅野川で昔はよく見かけ、小さな子がおこづかい欲しさにとってたんですよ」と風景がうかぶお話はずうっと聞いていたいほど。


食事は秋刀魚の燻製をのせた松茸ご飯。十勝そばの汁。


香の物の、黄ズッキーニ、りんご、いぶりがっこなどに、パプリカいしる漬けがなんともいい香り。


お抹茶を啜り、


果物のゼリー、作り置きや店売りを一切しないことから幻の和菓子とよばれる吉はしの練り切りを大切にいただく。
ああ、この至福のときが終わってしまうのが、そして金沢の夜が終わってしまうのが名残惜しくてたまらない。この部屋の物入れにでも潜みたい。なんなら座敷わらしにでもなります。
玄関ではつる幸二代目の若主人、河田康雄さんも見送ってくださり、金沢の最後の晩ごはんを幸せに終えたのじゃった。

つる幸
石川県金沢市高岡町6-5

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