2016/01/11 (Mon) トロ箱に導かれ、西荻しんぽ


東京泊最後の晩ごはんは、この日を待ちかねておった西荻のしんぽへ。あまりに好きすぎて、前回の滞在の時など、帰り際に数日後の予約を入れてしまったほど。ああ、白く輝くトロ箱が手を広げて我を迎えてくれておる(単につんであるだけ)。


お酒は山形の洌、純米大吟醸。清冽な飲み心地、ふくよか余韻があとをひくひく。NYではめったに体験できない、この零しっぷりも嬉しくてたまらないではないか。


お通しもお通しの枠を超えた素敵さ加減。そしてつぶ貝の尻尾がくるんと綺麗にとれたから今宵も幸先よろしいかと。


見事なぼたん海老に、海老好きの隊長が相好くずしておる。海のものの甘みはどうしてこう優しいのだろう。感動して、律儀に丁寧に食べ終えた海老の尻尾を整列させていく隊長である。へんなとこ几帳面なんだから。いや隊長なりの海老へのリスペクトなのかもしれない。


純白の白子の、表面わずかだけが焼きつけられたこの美しき調和。食べるまえからうっとりしておると、お隣の席からも感嘆の声が…。隣の席の2人がこれを見て囚われたらしい。「おいしそう」「頼もうか」「そうしよう」と即座にカウンターに声かけている。自然とお隣さんと会話は始まり、美味しいですよー、本当にねぇ、と和気藹々に。酒と旨いもんは見知らぬ同士を滑らかに繋いでしまうのじゃった。私、普段は人見知りなんだけど。


毛蟹ほぐし、カウンターに出されたとたんにどきりとする豪華さ。しかも蟹みそのせ。金沢から蟹に恵まれ続け、西荻で〆。幸せな蟹の旅じゃった。
お隣の女性、「それも、おいしそうねぇ!でも今回はガマンしとこう。北海道行ってきたばかりだし」「そうですか、いいですねぇ(でも美味しいよう。頼めばいいのに)」などと喋りながら、どうもこの方と連れの男性をどこかで見たような気がして仕方ない。飲み屋で? もしかして以前もここで会話したんだっけ? 酔っ払いは知らずに顔見知りをつくるものだし。


塩辛にマスカルポーネのあうこと。お隣さん、「納豆にブルーチーズもあうのよ」。「あ、それおいしそう。やってみます」臭いものに臭いものは、優雅を生み出すものよのう。


万願寺唐辛子焼きに、


それは見事な椎茸焼き。噛むと茸の旨みがほとばしり、口内をしゃーわせにするのだった。


赤出汁とおにぎりの正統的な〆にて、幸せな夜はおしまい。お隣さんと「また会えたらいいですねぇ」と手を振りあって、さて私たちもホテルに戻って荷造りじゃ。
そして、翌々日になってようやく男性のほうの顔がぽわんと脳裏にうかんできた。そうだ、あの方、東京乾電池の人じゃなかったっけ。検索したらアタリ、そして連れの女性は女優さんであった。道理で綺麗なわけじゃ。ああ、すっきりした! すっかり浦島太郎なのですでに有名人と飲み屋の一期一会の人との区別もつかなくなっておる(呆)。でもこれも楽しや一期一会だったのう。
さぁて明日から、ちょいと大変な日々が始まる。気を引き締めねば。

しんぽ
東京都杉並区松庵3-38-14

◆前回の記事は、こちら

こんな素敵な店に来るのを3年もガマンしておったなんて…。

| trackback(0) | comment(0) |


<<実家舞い戻りの日々魚ごはん | TOP | 出会いの別珍>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://tomoson.blog34.fc2.com/tb.php/2378-1298a845

| TOP |

野中ともそ tomoso nonaka

こんな者です↓
おひるねスケッチ(本館サイト)
Profile
著作リスト
Twitter @tomosononaka

いまんとこニュース
新刊『虹の巣』出ました。(2016)


虹の巣
週刊NY生活に書評&コメント載りました。
クロワッサンに書評載りました。(
小説すばるに短編「金の雪」載りました。
小説すばるに、短編「スカ」載りました。
着物の時間。ムックに取材記事載りました。
文庫『ぴしゃんちゃん』出ました。
新刊『つまのつもり』出ました。(2014)
クロワッサンに寄稿しました。
国際子ども図書館の展示解説本に掲載されました。
JAL skywardに寄稿しました。

calendar & archives

new entry

category

new comments

books


ぴしゃんちゃん

つまのつもり

海鳴屋楽団、
空をいく

銀河を、
木の葉のボートで

鴨とぶ空の、
プレスリー

おどりば
金魚

チェリー

世界の
はての
レゲエ・バー

Teen Age

もぐらの
バイオリン

フラグラーの
海上鉄道

search

links

RSS