2016/03/02 (Wed) Le Bernardinにて至福な味の誕生日

 
世間様が建国記念日を祝うなか、ひっそり自分の誕生日も祝ってみる、でもそんなにメデたくもないような気がする、とある2月の日。本日は、前々から行ってみたかったLe Bernardinへ。
たまには小綺麗な格好などしてみようとクローゼットを見てみるも、やっぱり無理(そもそもそんな小綺麗は存在しておらんのだが)、この寒さには無理。パンツの下もカーディガンの下も、共にユニクロ…。コートは、「ともそがソレを着ているとああ、また冬が着たなぁと思う」と言われるほど長年愛用して風物詩と化しておるダウンコート。もこもこ、どすどすと麗しきレストランへ。


白ワインを手にいただくアミューズは、ポン酢に青海苔が効いたチミチュリソースで和えたハマチ。まろやかなサーモンムースが詰ったパフ、そして、


おおっいきなりの生卵? エリック・リペールさん斬新。…ではなく、これはなんとブイヤベースなのだそう。どうしてこんな繊細な技が発揮できるのだろう? そっと口に流し込めば、切ないほどまろやかに舌にとけいく海の滋味。ああなんたる贅沢が凝縮された一瞬か。


前菜はまず「Almost Raw」(ほとんど生よ)から、牡蠣好きな隊長は生牡蠣を。


私はLangoustine-Sea Urchin 、ラングスティーヌ(手長海老または赤座海老)と雲丹。ラングスティーヌのカルパッチョに雲丹を海苔とりんごをあわせたソースで。とろける雲丹のあまみと弾力ある海老、ほのかに静かに伝えてくるあまさ。嬉しいため息、こぼれて落ちる。
うっとり味わっていたら、なんとそこにエグゼクティブシェフで共同経営者のエリック・リペール氏が登場。わざわざ挨拶にきてくださったのである。時おり、テーブルに挨拶に現れるという話は聞いていたものの、なんと私たちのテーブルにだけ現れ、しばらく言葉をかわした後、そのまま去っていかれた…。料理の素晴らしさがなせる幻? ではなく、彼と親しいという友人が気を効かせて話をしていてくれたのだ(ありがとう、Rじ。最高のバースデーギフトになったよ)。優しく「楽しんでいってね」と言ってくれた言葉をかみ締めつつ、本当に楽しませていただいてます。
しかも後で聞いたところ、この日は昼間サイを救うチャリティーのためのガラがあり、本当に忙しくされていた様子。そんななか、気を遣ってくれた氏の優しさに感謝…(泣)。

 
前菜2品目は「Barely Touched」(わずかに触っただけよ)から、Seafood Truffle Pasta、シーフードとトリュフのパスタを。
蟹、帆立、ロブスターの風味が踊り、トリュフが染み入るソースにさらに削られたトリュフ。目を瞑って味わいたい。しかしそうすると美しい皿が味わえぬ。かっと目を見開いて味わおう(怖いよ、そんな客)。

 
さて、「Lughtly Cooked」(かるーく火入れしたよ)のメニューからのメイン、隊長は好物のDover Sole 、ドーバー海峡の舌平目を。もちろん一口お味見っと。うーん、アーモンドのかりかり感、シャルドネとシャロットのソースが、繊細にほどける舌平目の身を柔らかく包み込む。


サイドには、ピスタチオ入りの香ばしいバスマティ・ライス、金箔のせ。一瞬、ここは金沢?と思ったぞ。


私はBlack Bass "Surf & Turf"、ブラックバスのサーフ&ターフを。ターフのほうは、とろける子牛の頬肉。これとブラックバスの鱗のかりかりの対比がすばらしい。すべての料理は見事にバランスが溶け合っており、でも計算されたあざとさはまるでなし。充足と感嘆のため息続きじゃ。


ここで、「シェフからです」と登場したデザートが。こ、これはシグニチャーデザートの「Egg」ではないか。
気になっていたものの、本日のメニューには見当たらなかったので別のデザートを頼んでいたのだが、まさかお目にかかけるとは。本当に嬉しい贈りもの続きである。卵の殻のなかでベイクされた中身は、Pot au creme、チョコレート薫る極上のクリーム。上にはメープルシロップをあわ立てたキャラメル、そしてぱらりと振った海塩の粒が幸せなあまさを引き締める。うう、全身がとろけて床に流れそうじゃ(ここで妖怪人間ベムが思い浮かんだ方はそれなりのお年ね)。
とここで、いきなり隊長が殻をスプーンで割って口に入れようとしている。どうやら殻もチョコレートで出来ていると思ったらしい。いや、違うから。食べられないから。以前、ギリシャで木になっているオリーブを口に入れてめちゃくちゃエグかったらしく、顔を歪ませていた隊長。油断ならぬヤツである。
 
 
そして頼んだデザートもさらに。私はMatcha。抹茶のカスタードにライチのプリザーブ、ジャスミンのアイスクリーム。
 

こちらは、Dark Milk Chocolate。ミルクチョコレートのムースに、ダークなキャラメル、キャンディードピーナッツに、さらにモルト香る温かなキャラメル。似た素材を駆使してここまで味の変化を楽しまさせる腕に、頭をたれるばかりじゃ。


おなかが一杯になったのもあるけれど、この至福の時を連れ帰りたくて、プチフールはお持ち帰り。可愛らしい箱に包まれてテーブルに戻ってきた。ありがとう、とすべてのことに感謝する誕生日。こんな夜が迎えられるなら、年を取るのもまぁ悪くないものじゃ。
あまりの満足度に、帰りがけに3ヶ月後の予約を取ろうとしたら、少し早すぎますといわれてしもうた。年取ると、ほら、せっかちだから(照)。

Le Bernardin
155 W 51st St, New York, NY 10019

| trackback(0) | comment(0) |


<<さくらんぼの州からの贈り物 | TOP | ロックなソース>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://tomoson.blog34.fc2.com/tb.php/2429-c929cd12

| TOP |

野中ともそ tomoso nonaka

こんな者です↓
おひるねスケッチ(本館サイト)
Profile
著作リスト
Twitter @tomosononaka

いまんとこニュース
新刊『虹の巣』出ました。(2016)


虹の巣
週刊NY生活に書評&コメント載りました。
クロワッサンに書評載りました。(
小説すばるに短編「金の雪」載りました。
小説すばるに、短編「スカ」載りました。
着物の時間。ムックに取材記事載りました。
文庫『ぴしゃんちゃん』出ました。
新刊『つまのつもり』出ました。(2014)
クロワッサンに寄稿しました。
国際子ども図書館の展示解説本に掲載されました。
JAL skywardに寄稿しました。

calendar & archives

new entry

category

new comments

books


ぴしゃんちゃん

つまのつもり

海鳴屋楽団、
空をいく

銀河を、
木の葉のボートで

鴨とぶ空の、
プレスリー

おどりば
金魚

チェリー

世界の
はての
レゲエ・バー

Teen Age

もぐらの
バイオリン

フラグラーの
海上鉄道

search

links

RSS