2016/03/25 (Fri) 鴨と、蟹と、刑事ではないコロンボと


4日目の晩ごはんは、グランカーズからちょいと離れてキュル・ド・サック地区まで車を飛ばし、Ti Bouchonへ。
たしか去年は来なかったから、2年ぶりじゃ。前回来たときは、名物オーナー・シェフのモモさん、病気をされたとかでかなりスマートになっていて心配していたのだが。今回にこやかに出迎えてくれた姿を見たら、すっかり元通りの恰幅のいいモモさんに戻っておられた。お久しぶりでございます~。


アミューズには、かぼちゃのビシソワーズ。なめらかなスープに、喉越がいいだけじゃないんだぜ、とぴしりとタイムが香りの幅を利かせる。どこかで一工夫、のシェフの遊び心がこの店の楽しい醍醐味じゃ。
お客さんはどのテーブルも常連さんらしく、お隣のご夫婦とモモさんが肩を抱き合って大笑いしている。見ると、同じ柄のシャツ。兄弟?ペア?と思ったら、以前ご主人のシャツを気に入ったモモさんに、彼がプレゼントしたのだそう。それをわざわざ双方が気を利かせて着てきたので、偶然お揃いになった、というわけ。お客に愛され、お客を愛しておるなぁ、モモさん。


お皿のドットが可愛らしい蟹のタルタル。カンタロープの甘みと蟹の旨み、唄いあい、混ざり合い、この泡のようにふわっと口のなかでとけていく。


もちろんここでもいつものフォアグラのソテー…と思ったら、残念、本日はないのだそう。それでは、とさして期待もせずに頼んだのが、このフォアグラのテリーヌ。嫌いじゃないが、むしろ大好きだが、生の肝に比べたらやはり私のなかではどうも格下げになってしまうのだ。
それが!奥さん!この手作りテリーヌのなんと濃厚ふくよかで旨きこと。ほとんど生のようなフォアグラの存在感が舌をひやりと楽しませ、ココアニブの濃厚なチョコレート風味と食感が更に際立て役に。トーストしたブリオシュにのせ、スターフルーツ・チャトニーと共に食べれば、カリブにほっぺた落としていきそうな勢いである。
と、ここでお皿の端にのった野菜風のものをさし(写真ではよく見えないが)、モモさん「なんだと思う?」と。「当てたら一品タダにしてあげるよ」
ええっ、とにわかに真剣になる。よぉく味わい、眺める。エンジ色の細切りはビーツをほそーく切って干したもの? 違いまーす、とのことで首をひねっておると、なんとバナナの花だそう。そういえば宿の庭に咲いていたけど、そりゃわかんないわ…食べたことないし。


隊長は、チキン・コロンボ、Ti-Bouchonスタイル。昭和世代はもちろん、コロンボといえばよれたコートの刑事、を予想するが、リヨン生まれのモモさんはむろんコロンボも井上順も知らないであろう。なめらかなカレークリーム・ソースに包まれた柔らかなチキン、隊長は早速コロンボのレシピ検索しなきゃ、といきまいておる。ほっくりクリストフィーンに、ライス&レッド・ピーズと。


私はここに来たら食べるときめておる、鴨の胸肉のロースト。今回は鴨そのままではなく、中になんと野菜のスタッフィングが。煮詰めたタマリンドの南国風味がまた鴨と相性よろしく、ワインのお替り行進よろしく。
モモさんによると、週末にはNHKのクルーズ特集か何かの撮影が入るのだとか。そこでにわか日本語講座。「僕は"ウノ"を飼っている!」と自慢げにのたまうので、よく聞いたら、それはイヌ! 訂正しておきましたよ、NHKさん。

Ti Bouchon
110 Route Cul de Sac, Cul de Sac, St Martin 

◆前回の記事は、こちら

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