2016/09/17 (Sat) 牛若丸にて、ない労をねぎらう


今晩出かける予定の寿司屋を目のまえの人参としてぶら下げ、あ人参嫌いだった、目のまえのニシンにして、朝からお仕事。のろのろと前進しておるような、むしろ後退しておるような心もとなさである。もうどこへも辿り着かぬのではないか、きっとのたれ死に、いやそのまえにとにかく寿司…と、さっさとPCを閉じて(歩みは遅くとも切り替えは早し)チェルシーへ。
ソーホーにあったときから大好きだった牛若丸さんにて、まずは露をまとったボトルが涼しげな黒龍さんに、あん肝などを。もみじおろしをのせた上品なオレンジ色が口のなかでほろりととけいくこの快楽。


鯖に小肌に明太子。光り物と魚卵がこの世から消えたらと思うだけで怖くなる。目のまえには、「それらが消えたとて俺は痛くも痒くもないであろう」という顔した人が座っておるが。静かに控えめに酢の染みた光る魚を味わいて、酒を飲む。ああこの楽しみを知らぬとは。


ボタン海老に帆立、どちらも舌にねっとりと絡みつく海のかほり、平目はこりりと。あ、キャビアのうずら卵落としがまた絶品であったのだが、写真を撮るまえに手が急ぎ、口のなかへと消えてしまった。


無数の粒がすべてあまやかな潮のうねりを主張する雲丹はカリフォルニアから。奥には、また光る魚。


いまにも動きだすかのような躍動感ある揚げ方のソフトシェルクラブをさくりと齧り、


とろの旨みあまみだけを純粋にあじわえる単純明快さがありがたいねぎとろ巻きに、


赤出汁を啜って、はぁと満足のため息。一日の労をねぎらう酒は至福なり、と言いつつ、書き物もあまりはかどらんかったし、ねぎらわれるほどの労を尽くせなかったような。
いいよねそういう日もあるよね、と甘やかす日も必要である。甘やかしすぎだけど。

Ushiwakamaru
362 W 23rd St New York, NY 10011

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