2016/12/05 (Mon) ローズ上海で薔薇色のモダン中華に酔う


巨大なチャイナタウンの近くに住んでおるもので、普段ならわざわざ帰国時に中華料理を食べに行きたい!と思うことはそうない。もっぱら和食、旨い酒、魚を求めて居酒屋徘徊の日々である。
そんな折、FBで知り合いが投稿していた写真に目が釘づけ…。酔っ払い上海蟹に吸いついて顔をとろけさせている方々の、見ようによっては不審な写真である。うう、食べたい、この蟹を私も啜ってみたい。
と拡大していじましく写真を眺めていたところ、その記事を書いた張本人Wさんが「日本にいるなら、行く?」と誘ってくださったのだ。行く行く~と二つ返事で連れて行っていただくことに。
目指すお店は、Wさんのお知り合いで料理家として活躍されている小薇(シャウウェイ)さんがオープンされたローズ上海。まずは目にも美しい前菜の盛り合わせを。それぞれの素材の風味も遺憾なく発揮され、一口一口が楽しい嬉しい。こんな洗練されたモダンなお皿、どこか昭和の漂うチャイナタウンでは見たことないのう。


待ちかねた酔っ払い上海蟹。紹興酒に酔った蟹の濃厚なミソに、こちらがうっとり酔わせていただく。この上海蟹(チュウゴクモクズガニ)、アメリカやヨーロッパでは外来種として問題になっているため、カエルもシャコも亀もなんでもござれのニューヨークでも、お目にかかったことがないのである。この感動をあと100個ぐらい味わいたい…ところだが、追い討ちをかけるように薔薇色の味が次から次に。


ぱりぱりと小気味よく砕ける皮の下から蟹の風味がにじみ出る、上海蟹の春巻き。ぷりっぷりの天然海老と季節野菜の塩炒めの丸く優しい味。
右下は、「ラー油か何かありますか」とお願いしたところ、「手作りなんですよ」と出していただいた特製ソース。これがまた、海鮮の旨みが凝縮されて、このままちびちびワインと共に味わいたいほどの美味しさ。
シャウウェイさん、穏やかな語り口のなかに食に対する情熱と創作欲がいっぱいの方とお見受けした。


皮だけでなくしっとりした身も味わえるローズ北京ダック。


すっきり呑み口のいい白ワインとともに、特製水餃子をつるりと。


滑らかな味に蟹の風味がおよぐ蟹粉豆腐は喉にとけこみ、


フカヒレの姿煮の、贅沢な食感をふつふつと味わう。


複雑かつそそられる香りを放つ季節の薬膳スープが、くちくなってきたおなかにしみじみと染み渡る。


そして、ああ、思い出すだけでもまた体が欲する、上海蟹のネギ和え麺。卵やミソをまとった細い麺が一本ごとに旨すぎる。


まろやかに深い紹興酒を出していただき、積もる話がどんどん掘り起こされていく。


デザートをいただきながらも、紹興酒も手放せない欲張り加減である。
ちなみにWさんは元音楽事務所の敏腕プロモーターで、なおかつ日本のサルサ界の仕掛け人でもあるお方。私の音楽ライター時代以来だから、まさにウン数10年ぶりの再会だったけれど、話は弾む弾む。一緒に仕事した思い出は(たしかにしたはずなのに)そう定かでないのに、芝浦のクラブや麻布のバーに連れて行ってもらったことはしっかり覚えておる。仕事より遊びの記憶が勝つ、のよき例…。
そのWさんの、テキ屋の口上が面白すぎて旨すぎて、笑いっぱなしじゃ(あれ、さっきまで彼の担当アーティストだった山下久美子ちゃんや大澤誉志幸さんの話をしていたはずが、いつの間に…?)。


お肌つやつやぴかぴかの美しいシャウウェイさん。フカヒレ姿煮を毎日試食するとこんな綺麗になれるのかしらん、などと勝手に羨ましいことを想像したりして。
今宵は心まで薔薇色になる愛情溢れたお料理の数々、本当にご馳走様でした。Wさんありがとう、私もテキ屋口上うまくなって、包丁の1本でも売れるよう頑張ります!(自信ないけど)

ローズ上海
東京都新宿区新宿1-2-6 御苑花忠ビル B1F

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